【Actuate】防犯カメラをスマートカメラへと変革させるAIソフトウェア

Actuate

Actuate(アクチュエイト)社は「防犯カメラを自動的に脅威検知可能なスマートカメラへアップグレードするAIソフトウェア」を提供している。

セキュリティ業界でスタートアップ企業が成功するには、技術的な信頼はもちろん、顧客との戦略的な信頼関係の醸成が重要である。司法・行政機関や軍に導入するには、戦術的な信頼性が必要だからだ。

創業者のSonny Tai(ソニー・タイ)は、「ガラケーがiPhoneに変わったように、セキュリティカメラも生まれ変わらなければならない」と強調する。同社は、既存の防犯システムから映像フレームをサンプリングし、クラウドサーバーに送る。

そして独自のAIが銃、侵入者、群衆、徘徊など、安全・安心に対するさまざまな脅威を検出する。検出された脅威は、既存のセキュリティワークフローまたは分析ダッシュボードを通じて、セキュリティ担当者のもとに直ちに届く。

Actuate社の技術的支柱は共同創業者のBen Ziomek(ベン・ジオメク)である。彼はマイクロソフトのAIチームを構築したAIのスペシャリストである。多くの競合がオフショアのエンジニアに開発を委託しているのと対象的に、社内にワールドクラスのAIチームを持っていることが強みとなっている。

戦略的には、アフガニスタンで海兵隊の大尉として、対テロリズムと部隊保護に従事したタイCEOの経験が大きい。彼は、政府レベルの意思決定者にアドバイスができる信頼性を持ち合わせているのである。

ActuateのAI防犯システムは著名な教育機関や企業をはじめ、アメリカ陸軍にも採用されており、取引先数は1,000社を超える。

Sonny Tai CEO、写真左は海兵隊時代。

スタートアップ バリュー

既存のセキュリティカメラを変える

クライアント企業の既存のセキュリティカメラをAIシステムと統合する。効率が向上された防犯体制により、セキュリティ担当者は従来のように一度にすべての画面をくまなく見る必要は無くなった。脅威となる可能性が高いエリアにのみ意識を集中することができるようになった。

クラウドベースのAIが侵入者を瞬時に検知するActuateを導入した企業は、従来型と比べて誤検知率を95%以上削減し、人手によるセキュリティスタッフを最大45%削減できている。

軍レベルの技術

アメリカ自動車協会やニューヨーク最大のアフォーダブルハウジング(州政府が手動する住宅プログラム)デベロッパーであるL&Mプロパティーズ、有名私・公立学校まで、さまざまな顧客を獲得しているが、同社のサービスは民間にとどまらない。

陸軍の軍需品の検知や部隊の保護などの自動化ユースケースにActuateのAIが導入されている。

銃検知に関する同社最大の競合の誤検知率は、カメラ1台あたり2~3回/月もの高い測定結果となってしまっているが、Actuateはカメラ30台あたり1回/月の低い誤検知率を誇る。

クラウドベースのソリューション

クラウドベースのソリューションと業界最高水準のエンジニアリングチームを有しており、現在利用可能な他のビデオ分析ソリューションよりも高い拡張性と正確性を備えている。

クラウドベースのソリューションであることには大きな利点がある。それはGPUボックスやスマートカメラなどのハードウェアを顧客の現場に設置する必要がないことを意味する。他社よりも速いスピードで拡張することが可能である。

800の地点に設置された7,000台のカメラにActuateを導入する案件では、統合とチューニングを6週間以内に完了した実績がある。競合他社であれば、数百台のGPUサーバーと数千台のGPU搭載カメラを出荷・設置しなければならず、完成までに最低でも数ヶ月はかかる。

COMPANY

社名:Actuate/アクチュエイト

設立:2018/1 ニューヨーク US

創業者:Sonny Tai, Ben Ziomek

資金調達:800万ドル(シリーズA 2021/4)220万ドル(シード2019/7)6.5万ドル(プレシード 2018/10)

分野:防犯カメラ用AIソフトウェア

(Photo: Actuate, https://actuate.ai/


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