
Aerial(エリアル)社は、「個人の二酸化炭素排出量を数値化できるアプリ」を提供している。

2008年から、環境省がカーボン・オフセットの関する指針を発表して以来、オフセットへの意識が年々高まっていた。二酸化炭素排出量への貢献度の高い社員へのインセンティブ支給をはじめ、国と経済が一体となった取り組みによるオプションがある未来は、制限ではなくアドバンテージと考えることもできる。
カーボン・オフセットで大事になってくるのが二酸化炭素排出量の「見える化→自分ごと化→削減努力→オフセット」という順序である。エリアルはその中でも「見える化」に着目している。エリアル創業者のAndreas Homer(アンドレアス・ホマ―)は、「ほとんどの人は何から始めれば良いか、はじめの一歩がわからない」という。具体的にわからないと、「自分ごと化」に意識が向けにくいのも無理はない。ホマ―氏は「環境問題を考える人々のストレスを少しでも軽減したい」と語っている。
現在(2021/8時点)エリアルユーザーによって 「2,557の救われた木」と「1,278,289kgのオフセット」の環境保護が達成されている。北米にある森林は、米国の二酸化炭素排出量の19%をオフセットしている。
エリアルのアプリでは自身の排出量が分かり、一人当たりの世界平均排出量とリアルタイムで比較できる。また、データ化された環境に対する貢献度を友人とシェアできる機能も付いている。ブロックチェーン技術でNFT、またはビットコインとイーサリアムのウォレットを計算し、オフセットを促進する。
エリアルは現在多くの著名アーティストやメジャーリーグサッカー、CNBC、キャンベル・スープに加え、日系のアシックスからも利用されている。アンドレアス氏は「積極的に導入していくことは、日本企業の大きなアドバンテージとなり得ます」と語り、世界展開を進めている。
スタートアップ バリュー二酸化炭素排出量の把握
大気中に放出する炭素量を正確に計算し、個人のカーボンフットプリント(炭素の足跡)を数字で表示。
個人の排出量をオフセット
北米で認定されている環境保護活動団体などに寄付することで、自身が排出した分の二酸化炭素をオフセットできるよう、オフセットの方法も提供している。
情報を入手
信頼性の高いサイエンスライターによる独自のコンテンツで、気候に関する実用的なインサイトをアプリで得ることが可能。
社名Aerial/エリアル
設立:2019/11 サンフランシスコ US
創業者:Andreas Homer, Ari Sawyers, Ebby Amir
資金調達:200万ドル(シード 2021/4)
分野:カーボン・オフセット
(Photo: Aerial, https://aerial.is )