
Altay Therapeutics(アルタイ・セラピューティクス)社は、「疾患の原因となる転写因子をターゲットとした小分子療法」を開発した。

Altay Therapeutics社は病気の原因となる転写因子(TF)を阻害する小分子医薬品を開発している。同社のプラットフォームは多くの治療分野においてTFの阻害剤を特定することを可能にしている。抑制メカニズムは、「治療不可能な」タンパク質を治療することを可能にし、競合他社に対する優位性をもたらしている。
FSHD(顔面肩甲上腕型筋ジストロフィー)は、筋肉の細胞が徐々に死んでいく筋ジストロフィーの一種で、現在日本では難病に指定されている。これまでの研究によると、DUX4(遺伝子にコードされているタンパク質)の発現が亢進すると、FSHD患者の筋細胞が死滅することが明らかになっている。したがって、DUX4を小分子で抑制することができれば、筋肉の死を防ぐことができ、生活の質の向上につながる。
また、Y Combinatorの2020年冬期クラスにセレクトされた。

小分子医薬品
これまで治療不可能であったものを治療することを可能にする阻害メカニズム。線維症、関節リウマチ、潰瘍性大腸炎などの慢性炎症性疾患、および複数の癌に対する安全で強力な治療法の発見に注力している。
多角的な観点
遺伝学的、構造学的、化学的な観点から、より効率的にターゲットを特定、独自のスクリーニング手法を用いて阻害剤を生成するためのロバストなプラットフォーム技術を有している。
臨床
前臨床試験では、ユーイング肉腫(骨軟部肉腫)および前立腺癌の治療薬として、ETS(早期腫瘍縮小効果)の癌に特異的に効果を発揮し、非ETS駆動の細胞には毒性を示さないことを示した。
また、IPF(特発性肺線維症)の治療薬として、肺のコラーゲン沈着を防ぎ、回復させる効果が認められた。
同社のプラットフォーム技術を用いて、DUX4を標的とする画期的医薬品である阻害剤を発見した。現在、いくつかのin vitro(試験管内)およびin vivo(生体内)の分析において、その有効性の検証に注力している。
社名:Altay Therapeutics
設立:2019/1 サンフランシスコ US
創業者:Ali Rayet Ozes
資金調達:15万ドル(シード 2020/3)
分野:医薬品開発
(Photo: Altay therapeutics, https://www.altaytherapeutics.com )