【CARMA】口座を持てない人のための信用データ

CARMA

CARMA(カーマ)社は、「購買履歴や光熱費の支払いを信用データ」として金融機関に提供している。

発展途上著しいアフリカ市場では、先進国が辿ってきた成長の過程を踏む必要がない。特に通信分野においては、固定電話普及のための有線インフラを整える過程を飛ばして、基地局による「点」でのインフラ整備が進んだため、携帯電話・スマートフォンの普及が急速に進んだ。金融分野においても同様で、現金のみの取引から銀行間取引・クレジットカードへ移行する前に主流となっているのはモバイルウォレット取引である。

流動性・利便性の低い現金取引から、遠隔での売買や契約がモバイルによって実現できる環境への移行は、選択肢として合理的でありとても自然に見える。しかし世界の金融市場から見たときに弊害も出てきている。多くの人々がモバイルウォレットによる取引を行う反面、アンダーバンクトが多数いるため、金融機関および信用情報機関が信用情報を収集できない。その結果、アフリカではモバイルで手軽に資金を調達できるサービスが普及しているが、貧困層の延滞率や債務不履行率が問題になっている。

CARMA社は、モバイルウォレットでの購入履歴や光熱費の支払いなど、「本人情報と紐付いているデータ」を集約し、貸金業者にデータを提供。より精度の高い与信判断を可能にしている。また、保険分野の契約査定に対しても有用なデータを多角的に提供。 例えば、個人の消費者取引データから得られる「信用スコア」の一元化など。

今後はプラットフォームを通じて収集した、匿名化されたデータに基づくビジネスインサイトレポートも検討しているとのこと。

「ポイント」

  • 与信判断の意思決定に必要な顧客のオルタナティブデータへアクセス
  • 顧客データの収益化
  • 顧客の様々な取引データおよびオルタナティブデータの判読により、顧客が金融サービスへアクセス可能

スタートアップ バリュー

データのマネタイズ

企業は、融資の引き受けから保険の提供まで、多くの内部決定に信用データを必要としており、CARMAのマーケットプレイスで企業は従量課金制でデータを取得できる。カーマは手数料から規定のパーセンテージをデータ提供者に還元する。

アクセスできるデータのタイプ

電話会社、 ユーティリティ、eコマース、小売、モバイルウォレット、銀行代理業者、デジタルバンキング、 AutoTechなどを含む多くの業種から、データを収集する。消費者取引データを持つ企業は、CARMAプラットフォームのデータ提供者になれる。

消費者取引データがもたらす利益

消費者取引データを分析することで、個人の消費パターンを構築。このインサイトは、銀行口座を持たない人々に有効であり、経済的に恵まれていない人々にビジネスチャンスをもたらす。

COMPANY

社名:CARMA/カーマ

設立:2020/7 ナイジェリア

創業者:Ted Martynov, Femi Oluyide

分野:FinTech

(Photo: CARMA, https://cormachain.com )


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