
Colabra(コラブラ)社は、「科学チームのためのデータ総合およびコラボレーションツール」を提供している。

従来型の科学業界では、特定の機器とデータ型との統合が必要であったり、IPに関する厳しい規制が要求されていたり、紙のノートに記録を残す習慣が強かったりしたため、最新のソフトウェアを利用することが難しかった。
今日の科学データは非常に細分化され、検索が非常に難しくなっており、科学的成果あげる上で大きな制約となっている。例えば紙やExcelによるノートは、用語、単位、計算式とっても研究者によって使い方が異なり、コピー&ペーストミスを招く。
それらノートの承認作業すらも手書きサインで行われている。つまり従来の科学ワークスペースは、無駄に長い作業、再現性のなさ、研究の進展速度の低下など、多くのダウンストリーム効果をもたらしている。
Colabra社は、ウェブベースのELN(電子実験ノート)とモバイルELN、そして物理的な実験ノートをスキャンしてアップロードする機能を備えた、全体的なデータ統合とコラボレーションのソリューションを提供。
さらに今日の科学業界で非常に不足しているリソースである、研究者が科学的プロジェクト管理のベストプラクティスを共有するためのオンラインコミュニティを構築。

ColabraのAoi Senju CEOは、今回(2021/9)150万ドルの資金調達を受けて、「Colabra単一のインターフェースにより、ユーザーがすべての科学データを扱うデータ統合の構築が可能となった」ことを明かした。
2021年1月にリリースされたColabraは、MIT、Berkeley、Stanfordなどのトップ研究機関や、バイオ燃料から長寿まで幅広い分野で活躍するシリコンバレーのスタートアップ企業がユーザーとして名を連ねている。
スタートアップ バリューColabraの哲学
- 組織の目標と、マイルストーンに到達するために研究のどの部分が重要かを考える。
- 優先順位の決定、タスクの委任、新たな洞察に基づく方向性の更新を効率的に行う。
- 自分の研究を見直し、再現できるように、すべてを記録。
- すべてのデータは、研究グループ内で完全に共有。透明性と説明責任を重んじる文化を生む。
- 1対1のミーティングや週1回のミーティングで何かを話すのではなく、今すぐ情報を共有。フィードバックの早さが意思決定の早さ。
科学者のオンラインコミュニティ
科学者のコミュニティに特化した製品を作ることで、科学者同士がより正確にデータや情報をやり取りできるようにした。チームの誰かが過去に行った実験を見つけたり、すべての実験のインプットとアウトプットを一箇所で見つけたり、作業を簡単に引き継ぐことが可能。
様々な科学データフォーマットを統合し、プロトコルを作成し、実験のワークフローを追跡することも可能。また、Colabraは科学研究に特有の数多くの規制要件にも対応している。
全てのデータを一つに
研究に欠かせないツールとシームレスに統合。毎週、統合機能や新しいファイルフォーマットのサポートを追加。
- Microsoft Office: Word、Excel、PowerPoint
- 顕微鏡イメージ:Zelss CZI、Lelca LIF、OME-TIFF、DICOM
- DNAシークエンス:SnapGene、Fasta、GenBank、JBEI、SBOL、Benchling、BioBricks
- 分子構造:ChemAxon
社名:Colabra/コラブラ
設立:2020/11 サンフランシスコ US
創業者:Aoi Senju, Philip Seifi
資金調達:150万ドル(シード 2021/9)15万ドル(プレシード 2021/1)
分野:科学チーム用サポートツール
(Photo: Colabra, https://www.colabra.app )