【EthSign】Web 3.0に向けたスマート電子署名プラグイン

EthSign

EthSign(イースサイン)は、「ブロックチェーン技術により分散化、不変化、透明化された電子署名プラットフォーム」を提供している。

日本では以前から叫ばれていた印鑑の撤廃やデジタル化がようやく進みつつある。しかし、いまだに書面でのやり取りは多く、「国境を越えた小規模な契約」においては、双方の負担が割に合わない。日本でも電子署名が普及してきてはいるが、印鑑文化のない海外ではすでに10億人以上がWEB2.0の署名ソリューションを利用している。

WEB2.0の署名ソリューションは、クラウド上で双方が書類の作成から電子署名までをスムーズに行うことができる。しかし、特定の法人が運営するサービス、そして1か所のサーバーにデータが保存されているという中央集権的なプロバイダーへの過度な依存は、常に不正アクセスやハッキングなどの脅威にさらされてきた。

EthSignの使命は、電子署名の生成と検証を簡単に、そしてブロックチェーン技術を用いて信頼性と透明性を高めることである。ユーザーが電子署名付きPDFファイルを生成し、契約を管理できる分散型WEBサイト「EthSign 3.0」と、スマートコントラクトを利用した契約条項を自動執行する契約フレームワーク「EthSign Smart Agreement」を提供。

EthSign eSignature: What is EthSign?

EthSign社によると、現在クリプト業界において競合となるような存在はいないという。その理由として以下の独自性を挙げている。

  • 分散型:ユーザーの情報や署名した文書を保存する中央管理のサーバーはなく、ブロックチェーン上に分散化された状態で保存される。
  • 透明性が高い共有:関係者や許可された当事者が、署名の確認や文書のダウンロード、契約に関わる全てのイベントを閲覧することが可能。
  • 史上初:世界初の分散型スマートアグリーメントプラットフォーム。ユーザーはブロックチェーンを介して自動的に実行されるスマートアグリーメントを作成できる。
  • 対応力:ほとんどのシナリオに対応し、法的拘束力を持つ。※法域による
  • 統合性:EthSignは明確なエンジニアリングドキュメントとAPIを提供する。どんなプロジェクトやシナリオでも、簡単にEthSignをワークフローに統合可能。

パートナー一覧

会社の沿革と展望

  • 2019/10:プロジェクト開始。
  • 2020/7:最初のMVP「EthSign 1.0」が完成。
  • 2021/5:「EthSign 3.0(PDF Signing)ローンチ。電子署名、ライフサイクル管理。 9以上のEVMデプロイ。統合開始。
  • 2021/7:スマートアグリーメントのオンチェーン実行。Chainlink 2.0 upkeep契約統合。オフチェーンAPIに対応するオンチェーンエスクロー
  • 2022/1:toB & toC戦略、DAOSaaSなどのワークフローとの統合。
  • 2022/9:ユーザー増加フェーズ。ネットワーク効果とコミュニティの構築。

EthSign社の製品ロードマップ

分散型アイデンティティ、スマートコントラクトプラットフォーム、分散型ストレージネットワークを含むWeb3.0技術は、ユーザーは電子契約の各バージョンへのコメント、編集、アクセスをシームレスかつ安全なものにする。

【EthSignトークン発行計画】

現在EthSign社は水面下でトークン発行を計画している。具体的な発表は、目標値までのユーザー増加後を予定している。

【日本で求めるパートナー企業】
  Fracton Ventures、アカツキ (ゲーム会社)、Headline (Headline.com)

スタートアップ バリュー

EthSign 3.0 (PDF署名)

IPFSArweave上で静的にホストされた完全にサーバーレスなウェブサイト(http://ethsign.xyz)。Web 2.0の電子契約書署名プラットフォームと同じ機能とUXを提供する一方で、ブロックチェーンの力を利用して透明性とセキュリティを強化している。

EthSign 3.0は、ユーザーが異なるウォレットでログインすることを可能にし、既存のDID(分散型ID)で契約を結べる。EthSignは、すべてのEVMと互換性のあるブロックチェーンをパブリック・クラウドとして利用することで、中央集権的サーバーの懸念を払拭する。

契約ファイルは暗号化され、信頼性の高い分散型ネットワークに保存。

サインイン画面、https://ethsign.xyz/#/signin

EthSign Smart Agreement (ESA)

スマートコントラクトのビジョンの実現を目指したカスタマイズ可能で拡張可能な次世代型フレームワーク。ESAは、既存の法的強制力(※法域による)にスマートコントラクトを加え(もしくは取り換え)契約を執行することで、より強固で拘束力を持った電子契約を実現させる。

オラクルキーパー(Chainlink)を搭載、あらかじめ設定されたオン/オフチェーンのトリガー条件に基づいて、電子契約の条項を自動的に実行するスマートエスクローとなっている。

「利用例」

  • オフチェーンからオンチェーンに:オフチェーンでの提案と投票はユーザー参加コストを最小で抑えられるので望ましいことが多い。EthSignは投稿、レビュー議論、提案、投票などのワークフロー全体をストレージネットワークに保存し、秘密鍵の署名と検証によってオンチェーンに結合し、同時にスマートコントラクトとの相互運用性を維持する。
  • 契約サイン:秘密鍵署名、合意書の分散保存、合意書署名のプロセスログなどの基本的な機能に加え、合意書のオンライン作成、オンチェーンでのバージョン更新、ログのダウンロードなどの高度な機能も提供できるようになった。初期の顧客は、暗号ファンド、DAO、開発者コミュニティになる。暗号ファンドはファイルのアップロード、契約書の署名、取引の完了をすべてEthSign経由で行うことができる。
  • DAO統合:DAOは実世界のエンティティ(実体)を確立することなく、秘密鍵で直接メモや契約書に署名できる。
  • 資産担保型セキュリティトークン:アセットオーナーとプラットフォーム間の契約締結に電子署名を提供することで、オフチェーンのアセットをオンチェーンにするゲートウェイとして機能する。
  • NFT、クリプトアート統合:EthSignはコンテンツとアイデンティティを保持、関連づけられることで、より価値の高いものにする。例えば、知名度の低いNFTアーティストを知名度の高いNFTアーティストが推薦していることを表示。
  • 証明:EthSignは、アイデアを社会的に検証する手段にできる。ブロックチェーンを使えば、署名する際にプライバシーが守られるので、電子証明書を分散化された安全な方法で作成できる。

70.0Ξ(10,008ドル)で落札されたNFTアート「 EthGirl 」

COMPANY

社名:EthSign

設立:2019 シンガポール

創業者:Xin Yan, Potter Li, Jack Xu

資金調達:65万ドル(シード 2021/4)

分野:電子署名プラットフォーム

(Photo: EthSign , https://ethsign.xyz/#/


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