【Fairmint 】スタートアップ業界の資金調達に新時代「Rolling SAFE」契約

Fairmint

Fairmint（フェアミント）社は、「1つの契約でスタートアップ企業の立ち上がりからIPOまでの資金調達を可能にする法的テンプレート」を提供している。

2010年9月、ポール・グレアムは「高解像度の資金調達」という言葉を生み出し、またたく間に流行らせた。スタートアップ企業は、投資家ごとに異なる価格を提示できるようにすべきだとの考えだ。それが2013年にY Combinatorが発表した初代SAFEにつながった。将来の株式に関するシンプルな契約は、資金調達市場の明確なニーズに合致し、その後数年の間に業界標準となった。

SAFEは大きな前進ではあるものの、スタートアップの資金調達のあるべき姿の真の実現には至ってないことも明らかになった。

Fairmintが提唱する「Rolling SAFE」投資は、創業者がIPOまでの会社の全期間にわたって継続的に資金を調達することができる法的テンプレートである。Rolling SAFEでは、投資家はいつでも会社に投資することができ、資金が増えれば自動的に評価額が上がるため、迅速に行動する投資家にはメリットがある。

基本投資家はできる限りリスクを抑えたいため、Rolling SAFEが金融進化における次なる一歩と捉えられるのは自然なことだ。スタートアップに最初に資金を投入することほどリスクが高いことはない。だから投資家は、他の投資家が資金を投入し、リスクが軽減するのを待つというスタイルを開発した。

ポール・グレアムは、これが「高解像度」の資金調達を優遇する理由であり、早期に参入した人々が価格面で大きなメリットを得られるようにするためだと述べている。一方、Rolling SAFEでは、誰もが今日の価格を見て、参加したいかどうかを決めることができる。重要なのは、投資家が待っているだけでは実質的なコストがかかることを認識するということ。つまり、いつでも他の誰かが投資して価格が大幅に上昇し、先にアップサイドを獲得される可能性がある。

SAFEはConvertible Noteを手に入れ、より高い解像度へと進化した。Rolling SAFEはその再現であり、市場は常に高解像度に向かって進化するというグレアムの観察を裏付けている。

例えばスタートアップ創業者自身が、なぜ250万ドルではなく300万ドルを調達するのか、その理由を考案しようとしてあまりにも多くの時間を無駄にしてきたが、実際には創業者も、投資家も、誰もスタートアップが実際に必要とする資本金を知らない。ローリングSAFEでは、その事実に着目し、会社のライフスパンにおいて何が起こるかという予測する無駄を省く。スタートアップが成長すれば、その結果を利用して、より多くの人から投資を受けられ、常にビジネスの勢いに連動する。

約10年前、SAFEはコンバーチブルノートに大きく取って代わり、初期段階の投資をSAFEで標準化した。今回のRolling SAFEは、SAFEを受け継ぎ、さらにデザインを合理化したものである。

Farimintへの投資は、ウェブページ右上の「Invest」ボタンからいつでもRolling SAFE形式で行える。総調達額や評価額をはじめ、投資する上で必要な数字が、リアルタイムで可視化できるので、透明度が高い。

Rolling SAFEとは

Y Combinatorが10年前に開発した従来のSAFEを改良したもので、将来の株式のためのRolling契約である。Rolling SAFEでは、投資家はいつでも企業に投資することができる。また、内在価値は資金の増加につれて自動的に高まり、迅速に行動する投資家にとって有益なものとなる。

Rolling SAFEは資金調達を効率化し、ビジネスに専念する時間を確保できる。注釈付きの法的テンプレートとして提供されているので、各スタートアップ企業の顧問弁護士が簡単にレビューでき、各ニーズに合わせることが可能。複数のノートや複数のSAFEは必要なく、単一の継続的な契約であるという利点もある。

Rolling SAFEのメリット

• コミュニティ：創業者、従業員、VCから、ユーザー、契約者、ファン、すべてのステークホルダーが利益を得ることが可能
• シンプル：誰もがいつでも投資でき、売り込みや交渉が不要
• フェア：先に動いた投資家は、より良い価格を享受、より多くのリスクテイカーが報われる仕組み
• プログラマブル：ブロックチェーンにより、オファーをトークン化できる
• 審査済み：一流の弁護士、投資家、創業者と共に開発した明確な法的枠組みに支えられている

Rolling SAFEの流れ

事前／事後、評価額の上限／下限、値引き／値引きなしなどの議論は必要ない。Rolling SAFEを設定するには、まずスタートアップ創業者が自社のティッカーシンボルを選び（例：ACME, Inc.の場合は$ACME）、いくつかの重要なパラメータを決定する。

そして、最初の評価額と株式の割り当てを決め、募集を開始し、資金調達を開始する。満額の申し込みがあれば、キャンセル待ちをする必要はない。創業者は手動で株式を追加で割り当て、会社の評価額を上げられる。また、自動運転で募集を開始し、市場が新しい評価額を決定するのを待つことも可能。この場合、低評価額の時に最初にアクションをした大胆な投資家が報われる。

さらに、このテンプレートはコミュニティに対応しているため、スタートアップ創業者はコミュニティ専用の株式配分を保有し、主要なステークホルダーに会社の成功に参加してもらうことができる。

（Photo: Fairmint, https://www.fairmint.co ）