【Figment】Web 3.0に貢献するトークン保有者と開発者のためのブロックチェーンインフラ

Figment

Figment(フィグメント)社は、「トークン保有者や開発者がブロックチェーンを使用、構築、管理することを容易にするエコシステム」を提供している。

中央集権的な管理者を必要としないブロックチェーンは、コンセンサスアルゴリズムを必要とし、PoWを採用してきたが、より多くの計算をした者に報酬としてトークンが付与されるこの方式は、報酬を求めてより強力なコンピューターマシンを設置する競争が激化し、膨大な電力量消費による環境問題やマイニングの中央集権化が指摘されてきた。

その解決方法としてPoSが発明され、今では多くの暗号資産が採用、または移行しており、PoSに移行を発表したイーサリアムは99.95%の電力量削減が可能だとしている。「トークンの保有量」によって報酬が付与されるPoSを採用している暗号資産は、トークンを保有してブロックチェーンのP2Pネットワークに参加し、承認作業を行う「バリデータ」となることが可能となる。

バリデーションが可能なトークン量を保持する「ステーキング」は、取引レートの上昇・下落に関わらずトークンが支払われる投資方法として現在注目されている。

本来、バリデータになるには暗号資産の専門知識や高性能なコンピューター設備が必要で、ネットワークを接続し続けなければならないが、Figment社のステーキングサービスを利用する事でバリデーションを同社に委託し報酬のみを得る「デリゲータ」となることが可能になる。

同社は世界最大級のステーキングサービスであり、保有量によってコインが付与されるPoSを採用している。トークンの保有者は同社のサービスを利用する事で優位性が得られる。

またFigment社のステーキングサービスは、純粋な投資家だけでなく、大規模にトークンを保有している取引所やファンドなどの金融機関も利用している。ステーキングサービスと同時に開発者に向けたITインフラ技術を提供することで、Web3.0への貢献を目指している。

Figment社マーケティング&コンテンツ責任者のClayton Menzel(クレイトン・メンゼル)は、同社の強みを、「Web 3.0全般に関し提供するサービスの幅広さが圧倒的なところだと思います。当社は、世界最大級のステーキングプロバイダーであり、他のどのプロバイダーよりも多くのPoSネットワーク上で開発者向けのインフラを提供しています。ブロックチェーンガバナンスのリーダーとして次世代の開発者を育てるための教育コミュニティの構築に深く関わっています。これらに加えて、当社の資本部門では新しいプロジェクトへの投資も行っています」と語る。

メンゼル氏が言うようにFigment社はエンタープライズグレードのノードおよびステーキング・インフラストラクチャ、Hubble Web 3.0 エクスプローラ、DataHubRest APIThe Graphベースのインデクサーを構築・運用することで、ブロックチェーンデータの効率的な検索・照会を可能にするなど、包括的にサービスを網羅。

次のキラー・ブロックチェーン・ベースの分散型アプリケーションの構築を支援。また、フィグメントの投資部門「Figment Capital」を設立し、本格的に新しいブロックチェーン・プロトコルやアプリケーションに資金を供給していく予定だ。

フィグメント社、DataHub

スタートアップ バリュー

トークン保有者

トークン保有者はトークンをステーキングし、報酬を受けながらガバナンスに参加する。Figment社が蓄積しているガバナンスの専門知識により、トークン保有者は情報に基づいた分析、監視、意思決定を行うことが可能。

開発者

教育プログラムを通じてWeb 3.0の開発者コミュニティを構築。開発者がDataHubプラットフォームを通じてアプリケーションをつくり、スマートコントラクトを管理できるようにする。

COMPANY

社名:Figment/フィグメント

設立:2018/ トロント カナダ

創業者:Andrew Cronk, Lorien Gabel, Matt Harrop

資金調達:5,000万ドル(シリーズB 2021/8)

分野:ブロックチェーン

(Photo: Figment, https://figment.io )


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