【HelioRec】水面に浮かぶ新型ソーラーパネル

HelioRec

HelioRec(ヘリオレック)社は、コスト効率と環境配慮に優れた洋上浮体式ソーラーパネルを開発している。

発電所は、水底または陸上に係留索(ボート)を定位置につなぎ止める綱)で固定されている。

世界レベルでより多くのクリーンエネルギーが求められているが、それを生成する土地は不足している。

HelioRecは、フランスに拠点を置くクリーンテック産業のスタートアップ企業で、最先端の浮体式太陽電池技術によるクリーン電力の発電に焦点を当てている。

コンテナのスペースを最大で50%削減することができ、物流コストを削減することが可能。

さらに、製造時には再生プラスチックを使用し、バージン材を使用した場合と比較して5倍の二酸化炭素排出量を削減し、循環型経済を実践する。

新しいソーラーパネルの分野で注目を集めているHelioRec社、そのバリューを創業者に取材した。

スタートアップ バリュー

創業のきっかけは?

Polina Vasilenko氏(以下、ポリーナ):HelioRecは3つの問題に取り組むために設立されました。

まず、土地の不足。そしてCO2排出量の増加。最後に従来の洋上浮体式太陽光発電技術のコストが著しく高かったことです。

浮体式太陽電池技術の利点は?

ポリーナ:我々はクリーンでスマートな電力生産を考えました。まず世界の全人口の50%以上は、海岸から100km以内に住んでいます。このことからも、洋上にソーラーシステムを設置することは大変理に適うと考えました。

また、陸上スペースの節約に繋がります。そしてパッシブクーリングシステムというものを採用してまして、冷却効果によりソーラーパネルの効率化をアップさせています。

さらに洋上にソーラーパネルを設置することで、その水域で複合的な利益を生み出しやすくします。養殖、ボートの充電ステーション、水素製造の効率化など、水産ビジネスにも貢献します。

競合や、サービスの優位性を教えてください。

ポリーナ:Oceans of Energy、SorarDuck、Swimsol、Ciel et Terre社などが競合としてあげられます。

特許取得の「ハイドロロック」機能(水をフローター内部に保持、従来のフローターに比べ3.5倍安定)の搭載など、弊社サービスには数多くの優位性があります。

わかりやすいものでいうと、私たちの技術により、他社のオフショアシステムに比べ3倍安く導入できます。

今後の計画は?

ポリーナ:ヨーロッパでより多くのプロジェクトを導入した後、活動範囲をアメリカまで拡大することです。

日本で気になる企業などはありますか?

ポリーナ:日本では、神戸、名古屋、大阪、東京、横浜などの港に加え、北海道電力、東北電力、中部電力、北陸電力などは理想的なパートナーといえます。

COMPANY

社名:HelioRec

設立:2019 フランス

創業者:Polina Vasilenko

資金調達:約30万ユーロ

分野:ソーラー発電

(Photo: HelioRec, https://www.heliorec.com/


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