アフリカの95%の自動車オーナーを支える【オルセグン・オワイデ/Mecho Autotech社】

Leader's Info

オルセグン・オワイデ氏は自動車整備士のマッチングプラットフォームを提供するメチョ・オートテック社(ナイジェリア)の創業者兼CEO。

世界4大会計事務所のアーンスト・アンド・ヤング社の保険数理エンタープライズ・リスク・マネージメント部門を率いていた。

大手コンサルティング会社で10年間勤務した後、「トラック版Uber」と呼ばれるKobo360社のCROとして、サプライチェーン・リスクを管理するためのフレームワークを導入した経験を持つ。

2018年、遠隔生体認証のための保険数理評価付き自動音声生体認証システムを発明し、特許を取得。また、英国のレスター大学でPGDを取得済み。

Leader's Viewpoint

スタートアップ創業のきっかけ

私はKobo360のリスクマネジメントと保険を担当していましたが、Kobo360で報告されるインシデントの約90%が機械的故障であることに興味を持ち、根本的な原因の調査を始めました。その結果、車両のメンテナンス文化の欠如、無能な整備士、偽のスペアパーツが主な問題であることが判明しました。車両オーナーも同じ問題に直面しています。

さらに、保険業界で10年ほど働いていた保険数理の専門家として、自動車保険プランでの不正請求が保険会社にとっての特に大きな問題になっていると感じています。自動車保険では、契約者が修理費を過剰に見積もることが多いのです。

そこで私は個人、企業、保険会社にエンドツーエンドの自動車サービスを提供し、不正を不可能にする統合デジタルプラットフォームを構築しました。8年に渡り自動車修理サービスを運営してきたエンジニアと共同でスタートアップを設立したのもこの時です。

業界の現状&サービスでの対応

アフリカでは、自動車のメンテナンスや修理がデタラメです。車の所有者は、料金がとても高く地理的にも限られた全体の1%以下しかいないブランド整備工場か、その他99%を占める無審査の路上整備士か、この2つの選択肢しかないのが現状です。

約95%の自動車オーナーは、路上の整備工場便りで、品質と信頼性が保証されたブランド整備工場を利用できません。そしてそういった路上整備士は決まってクオリティも透明性も低いのです。

私たちは、信頼できる整備士とスペアパーツベンダーのネットワークを構築し、予約、支払い、整備士のマッチングを簡単に行えるアプリを開発しました。メチョアプリを使えば、お客様や企業は、国内の主要都市や道路で、近くにいる審査済みの整備士を呼び出すことができます。

サービスの未来

テクノロジーを駆使して、アフリカ全土の自動車オーナーに円滑なメンテナンスと修理のソリューションを提供することを目指しています。現在、私たちの事業はナイジェリアに限定されています。

近い将来、西アフリカ地域にも進出したいと考えています。 また、潤滑油のブレンダーやOEM部品と直接提携することで、利益率を高めていきたいとも考えています。

(取材=宮尾卓志 写真=Mecho Autotech)


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