アフリカ人のIDを証明し、グローバル経済と繋ぐ【ポール・ダマリー/Appruve】

Leader's Info

ポール・ダマリー氏は アフリカ全域で個人や企業のIDを簡単に確認できるテクノロジーサービスを提供するアプルーブ社(ガーナ)の創業者。ガーナ中央銀行のイノベーション規制に関するアドバイスに積極的に関わり、最近では、ガーナのファイナンシャル・インクルージョン政策の起草を担当した。

十分なサービスを受けていない市場が直面する重要なファイナンシャル・インクルージョンの課題を解決する方法として、機械学習の使用に可能性があると確信している。

Leader's Viewpoint

スタートアップ創業のきっかけ

約1億8千万人のアフリカ人が経済的に疎外されており、これはケニア人口の約3.6倍に相当します。私たちの使命は単純です。人々の身分証明をサポートし、金融サービスを受けられるようにすることです。

アプルーブのビジョンは「一般のアフリカ人とグローバル経済を結びつけ、経済的機会を向上させる」ことです。

サービスによる対策

アプルーブは特にアフリカにおける経済機会の創出に取り組んでいます。このことは下記のように、製品の売り出し方にも見て取れます。

アプルーブIdentityは、ID文書を発行している政府のデータベースから直接得たデータを使って、ユーザーのIDを素早く確認できます。当社のAPIを使用すると金融機関はKYCを容易に行うことができ、顧客は融資を受けることができます。

アプルーブBusinessにより、アフリカ人のビジネスの正当性を簡単に確かめることができます。同様に貿易ベースでの経済機会を創出・促進します。

アプルーブAgencyを利用すれば、顧客が正当な書類を提出しているかどうかを、遠隔地でも対面でも確認できます。遠く離れた場所にいる人であっても、経済的な恩恵を受けられるのです。

サービスの未来

私たちは、データやIDの認証が、スマートフォンのチャットのように簡単にできる世界を夢見ています。近い将来、アフリカ54カ国のすべての関連データセットに接続することを目指しています。そうすることで、シームレスな認証が可能になり、ID関連の不正を防ぐことができるのです。

(取材=宮尾卓志 写真=Appruve)


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