【株式会社Scrumy】令和の戦国時代を生き抜くためのESGマネジメント/ファイナンスサービス「Scrumy」

株式会社Scrumy

株式会社Scrumyでは、ESGの専門家集団としてESGマネジメント/ファイナンスサービス「Scrumy」を提供している。創業者の笹埜健斗氏は世界経済フォーラム(WEF)や国連責任投資原則(PRI)のメンバーとして、SDGs/ESGデータサイエンスの新技術を研究・開発する天才集団を率いるサステナビリティ学者だ。

ソフト開発・運用分野で注目を集めている株式会社Scrumy、そのバリューを笹埜 健斗氏に取材した。

スタートアップ バリュー

起業したきっかけについて教えてください。

私が起業したきっかけは、「哲学(philosophy)」と深いつながりがあります。私は高校時代に生死をさまよった体験から、哲学に目覚めました。その後哲学オリンピックで金メダルを獲得したことを契機に、社会課題の解決に向けて強い意識を持つようになりました。

大学卒業後から今まで、5種類の法人設立と運営をし、「持続可能性(サステナビリティ)」を追求したESG経営をいち早く推進していました。しかしそこで直面したのは、実現する難しさです。

そこで、より多くの企業がESGに注目して、サステナブルな経営を行うことにより、日本におけるサステナビリティの流れを加速させて行きたいと考え、本事業を立ち上げることにしました。

私たちの夢は、経理部門・公認会計士・政府との連携が確立された会計領域と同様に、サステナビリティ部門・公認サステナ会計士・政府との連携が確立された、サステナブルテック領域を生み出すことです。財務情報だけで経済を大きくするのではなく、さまざまなステークホルダーや財務以外の情報も考慮した「新しい資本主義」を実装します。

「Scrumy」のサービスの概要について教えてください。

加速するESG投資への注目を背景として、企業のIR報告書等におけるESG情報(非財務情報)の重要性は日々高まっています。しかし実際の現場ではESG経営の専門家は少なく、どのような経営が適切なのか、どのような情報を開示すれば評価されるのかはあまり知られていません。企業は手探りで情報開示方針を決定する必要があるでしょう。

また、昨今登場している多くの「ESG経営」に関するサービスは、いわゆるグリーンテックに特化しており、実際には情報開示として不十分であるとも言われています。

そこで弊社では、企業のニーズを解決すべく、ESGの専門家集団としてESGマネジメント/ファイナンスサービス「Scrumy」を提供しています。

具体的な活用シーンを教えてください。

私たちは以下2つの機能を持ったプロダクト・サービスを提供することで、お客様の課題を根本的に解決します。

1つ目は、ESG情報開示戦略のコンサルテーションです。弊社ではサステナビリティ研究者・弁護士・公認会計士など、さまざまなバックグラウンドを持った専門的な人材を保有しています。さらに、財務情報との関連性を最も得意とする「SASBスタンダード」という国際フレームワークを採用・連携したサービスです。PRやブランド戦略としてではなく、企業価値の向上や会社の企業存続のために、お客様の非財務情報の開示をサポートします。

2つ目はESG経営管理ツールです。企業が定めた重要テーマに対して、開示に必要となるデータや情報を一元管理できる体制を提供いたします。独自開発したUI/UXによって、重視すべき情報とそうでない情報が可視化されており、スムーズに管理できるようになっております。

競合他社に打ち勝つ優位性、「Scrumy」が選ばれる理由を教えてください。

弊社の強みは3つございます。

1つ目は、私自身がサステナビリティに関する研究者として、エビデンスに基づいた最新の専門知識やノウハウを提供できることです。

2つ目は、弊社が財務情報との関連性を最も得意とする「SASBスタンダード」という国際フレームワークを採用、かつ連携できている点です。現時点では、サステナビリティ報告書の作成や、情報開示をすることが自己目的化してしまっているケースが非常に多くみられます。しかし、開示項目や取り組み方を工夫することで、実際に投資家に評価されるような情報開示やサステナブル経営を実現できました。弊社ではそのサポートをさせていただければと思っております。

3つ目は、金融機関や投資家との豊富なコネクションです。投資家との繋がりを活用することで、どの情報が実際の投資判断に役立つのかを生の声として入手でき、サービスに迅速に反映できるのが強みだと考えております。

サービス拡大のためのマーケティングプランを教えてください。

弊社のマーケティングプランは2つの軸で考えております。

1つ目は投資家からのヒアリングです。株式投資管理・分析アプリと連携し、どのESG情報が投資家の投資判断に影響を及ぼすのか、PoCを実施します。ここで得られたノウハウをもとに、企業へのコンサルテーションをブラッシュアップしていきます。

2つ目の軸は自治体連携です。現在、数多くの自治体でESGやSDGsに関する認証制度を実施していますが、世界の水準に到達しているものはありません。ESGやSDGsよりも、CSRを推奨する制度が非常に多いでしょう。

現状だと業績が悪くなったときにESGやSDGsに関する活動を続けられず、「サステナビリティ」という動き自体が持続できなくなります。本来、さまざまなリスクや変化に対応できるよう、長期的に事業を変革していくことが重要です。そこで、自治体に対して最新の動向に関する講演会や政策提言をし、連携を取っていきたいと考えております。

会社として今後の展開を教えてください。

今後の展開として、まずはコンサルテーションの顧客を増やしていきたいと思っています。それと同時に、企業が開示しているサステナビリティ情報を国際規格(XBRL)に基づいてデータベース化し、実際の投資判断に影響を及ぼすものの優先順位付けをしていく見通しです。弊社でデータベース化した情報をコンサルテーションに生かし、企業のサステナビリティ情報開示戦略をサポートしていきたいと考えております。

COMPANY

社名:株式会社Scrumy

設立:2021年4月

創業者:笹埜 健斗

資本金:47,499,750円(資本準備金を含む)

分野:ソフト開発・運用


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