転換社債の一種。株式への転換価格を明確に定めずに資金を貸し付け、その次の資金調達時にその貸付金を株式に転換するもの。株式と異なり、対象企業の評価額を定める必要がなく、株式よりも契約にかかる時間的、金銭的コストが小さいという利点がある。ただ、将来的に株式に転換されるかもしれない借金であることから、返済期限がある上に、利息もつく。

株式への転換価格の値をあらかじめ定める代わりに、次回増資時の転換価格を株価の△%とするという「Discount」と、次回増資時の転換価格は◯円を上限とするという「Cap」の指標が用いられる。、シード期にリスクをとって投資するエンジェルなどの投資家からの要求に応じて、次回増資時の投資家よりも有利な条件で株式に転換できるようにしたもので、ディスカウントは、投資後に事業が上手くいかず、次回増資時の評価額が高くならなかった場合に、キャップは、次回増資時の評価額が非常に高くなった場合に有効。

「利点」

  • 早い:Valuation(評価額)を決める必要がない、株式投資に比べて圧倒的に書面の量が少ないなど、時間を節約。
  • 安い:弁護士費用とそれにかかる社内リソース費用の削減。
  • 双方に得:スタートアップにとっては次のラウンドまでの運転資金が入る。投資家にとっては、規模の大きな資金調達の前の橋渡し金がリスク料として、ディスカウントやキャップなどが付与。

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