ティトとマーティン（Tito Mukherjee & Martin Beaucamp）氏はペタメンツ社の創業者。 同社は、獣医師、栄養士、犬に目がない創業者のグループによって2021年２月に設立された。
ティトは、米国ニューオーリンズ大学でビジネスを学んだ後、ドイツの有名なベンチャー企業であるRocket Internet社の2つのスタートアップ企業（Glossy BoxとMovinga）でキャリアをスタートさせた。
子供の頃から犬を飼っており、ペットへの強い愛情がHAP（モバイル獣医師の家庭訪問を手配するマーケットプレイス）を立ち上げるアイデアにつながった。
マーティンは、ビジネスを学んだ後、Rocket Internet社の2つのスタートアップ企業（FoodpandaとShopwings）でキャリアをスタートさせ、その後5年間、A.T. Kearney社とCapgemini Consulting社で経営コンサルタントとして勤務。
12歳のキャバリア・キング・チャールズ・スパニエルの飼い主であるマーティン自身も、パーソナライズされたドッグフードがいかに重要であるか認識している。
Leader's Viewpoint
スタートアップ創業のきっかけ
私たちにもココとソフィーという愛犬がいて、彼らは私たちの家族の一員であり、毎日の生活を豊かにしてくれています。犬を飼うのは楽しいことですが、彼らが病気になったときの辛さは私たちもよく知っています。ソフィーは慢性的な膀胱結石に悩まされ、ココは様々なアレルギーに悩まされています。二人とも何度も手術を受け、強い薬を飲まなければなりませんでしたが、それぞれの健康上の必要性に合わせて食事を調整しました。この経験が、ペタメンツの開発につながりました。他の犬の飼い主にも、パーソナライズされた機能的なおやつを用い、犬の健康を持続的に改善するお手伝いをしたいと思い、スタートアップが始まりました。
直面している問題
多くの犬が慢性的な健康問題に悩まされていますが、適切な栄養を摂取することで症状を軽減したり、予防することができます。それにもかかわらず、慢性的な健康問題は発見されにくく、長い間治療されないことがよくあります。
従来のドッグフードの多くは、平均的な成犬を対象に設計されており、あらゆるタイプの犬に最適な栄養を提供できていないことが多いです。専門的なドッグフードであっても、年齢層、健康問題、犬種など、ある特定の側面に焦点を当てているだけで、他のすべての影響要因は無視されています。
そのため、飼い主は高価な栄養士に相談したり、インターネットで自分で調べたり、タブレットやパウダー、ドロップなどの形でサプリメントを与えたりするしかありませんが、これらは犬にはあまり受け入れられません。
解決策
ペタメンツ社は、インテリジェントなアルゴリズムと科学的根拠に基づいた製品でこの問題を解決し、犬の長期的な健康をサポートしたいと考えています。当社は、栄養士や獣医師と協力して、臨床的に証明された生物活性成分（ビタミン、微量元素、アミノ酸など）を豊富に含む新世代の機能性犬用おやつを現在10種類開発しています。美味しいおやつの形は、薬っぽさを感じさせず、犬にご褒美として認識されるため、犬と飼い主の両方に受け入れられます。
独自のアルゴリズムにより、活動レベル、食事内容、既往症などの犬のデータを分析し、その情報をもとに、犬の健康ニーズに合わせた個別のおやつを提案します。ペタメンツが扱う健康問題の多くは慢性的なものであり、生涯にわたるサポートが必要であるため、ペタメンツは飼い主に、いつでも解約可能であり便利なサブスクリプションモデルを提供しています。お客様には毎月、3種類のおやつをご自宅にお届けします。料金は小型犬で39.90ユーロ、大型犬で44.90ユーロです。
サービスの未来
犬は世界中で最も人気のあるペットのひとつであり、特にパンデミックの今、その数は着実に増加しています。ドイツだけでも、2010年から2020年の間にペット犬の数はほぼ倍増しています。昨年の世界の犬用おやつ市場は170億ドルの売上を記録し、今後7年間では年率約20％の成長が見込まれています。機能性犬用おやつは、この市場に革命をもたらす新たなサブセグメントを生み出します。
私たちの目標は、栄養を通して犬の生活をより健康で幸せなものにすることです。私たちの技術は、高度なアルゴリズムを使用して犬の履歴を分析し、提供された回答に基づいて、あなたの愛犬だけに向けたおやつをお届けします。私たちは全ての愛犬に適した特別なおやつの製造をこれからも目指します。
（取材＝宮尾卓志 写真＝Petaments）
