【Tokinomo】製品が顧客に直接アプローチするインストアマーケティング

Tokinomo

Tokinomo(トキノモ)社は、「FMCGブランドや食料品小売店向けのインストア・マーケティング・ソリューション」を提供している。

ネットショッピングが今後も勢いを増し、リアル店舗の市場は縮小していくといわれている。リアルタイムで商品を見て、触れて、匂いを嗅いで、納得した上で購入する楽しみがなくなることを考えると、それが現実になるかは大きな疑問が残るが、それはさておきリアル店舗に一層の工夫が必須となっていることには間違いない。

リテールテック製品で注目を浴びているTokinomo社の創業者たちは、技術的なバックグラウンドをまったく持たずに、スーパーで商品に命を吹き込むロボットを発明しようと決めた。

同社は、光、音、動きの技術を組み合わせて商品を動かし、買い物客の注目を惹く「棚広告ロボット」を提供している。

FMCGブランドによる店舗でのTokinomo 活用例, https://www.youtube.com/watch?v=ydo0Sz4NW7c

有効なプロモーション

  • 商品の売上、ブランド認知度、エンゲージメントを向上させたいブランド
  • 新しいテクノロジーを利用して利益を最大化したいと考えている小売業者
  • クライアントに最高のマーケティングソリューションを提供したいオフラインマーケティングエージェンシー

実績

Tokinomo, https://www.tokinomo.com/about-us/
  • RBTEイノベーションアワード(ロンドン)
  • アメリカ消費財テクノロジー、トップ10(NY)
  • ウォルマートイノベーションサミット、小売部門最高賞(トロント)
  • 欧州小売テックハブ、トップ12(ミュンヘン)
  • セールスエクセレンスアワード、ゴールド(アテネ)

Tokinomoシステムは特許を2つ出願中で、CEマーキングおよびROHS(特定有害物質使用制限)の認定済みである。

ハイネケン・コカ・コーラ・P&G・ペプシコ・ユニリーバ・アディダス・スニッカーズ・ジョンソン・エンド・ジョンソン・ニベア、その他様々なメーカーから利用されており、30カ国・170ブランド・70店舗・2,500ロボットを超える実績を持つ。

Tokinomoブランドを見るには「in-store marketing robots」から。

スタートアップ バリュー

ユニバーサルグリップ

特許を取得したユニバーサルグリップを備えており、店舗内のあらゆる種類の商品を掴むことが可能。ロボットは人感センサーを用い、買い物客が商品を通り過ぎるタイミングで動きや音声でメッセージを伝える。また、商品が動き出すと上から光が照射され、ゴージャスな演出も可能。棚に並べられた商品も音に合わせて動き、必要に応じて踊りもできる。

活動に関する正確なレポート

カスタムメイドのキャンペーン管理プラットフォームへのアクセスが含まれており、キャンペーンの作成や最適化をリアルタイムに行える上、商品の前で行われたアクティベーションの回数や人の動きなど、棚の活動に関するレポートが得られる。クラウドへのアクセスは、以下のように利用。

  • 製品が伝える音声メッセージのアップロード
  • キャンペーンに使用されるすべてのロボットに、数に関係なく即時にアップデートを送信
  • 製品の動作パターンと速度の設定
  • キャンペーン中でもリアルタイムに調整・変更が可能
  • リアルタイムにデータをチェック

ECサイトなどは顧客からの必須データを持っているが、実店舗で販売する小売店やブランドは、顧客データを抽出してモニタリングするための必要なツールを持っていない。Tokinomoは、来店者数、アクティベーション、位置情報、各デバイスの状態などのデータを収集し、実店舗に欠けているインサイトを提供する。

インパクト

従来のインストア・マーケティング・ソリューション(ディスプレイ棚、列の端を目立たせるなど)では、平均して15%~30%の売上アップにとどまっていたが、Tokinomoは値下げをしなくても平均して200%の売上アップという結果を生み出している。

平常時の該当商品売上:393ドル/週

トキノモ使用時:7,650ドル/週

ブランドの認知度は非常に重要であるが、Tokinomoの場合、40%の買い物客がブランド名を覚え、10%が商品名を覚えるという結果が出ている。

また、Tokinomoで広告された商品の前を通る買い物客のうち、50%がその商品に気付き、30%が商品を見たり、音声メッセージを聞くために近づいたり、商品を棚から取って詳しく調べたりするなどのインタラクションを起こしている。

リテールテイメント

小売(リテール)と娯楽(エンターテイメント)を融合させたリテールテイメントは一過性のトレンドではなく、顧客が期待している事実である。Tokinomoにより、買い物客は驚きのショッピング体験ができる。小麦粉の入った袋や歯磨き粉がしゃべるとは誰も思わない。顧客は自身の体験を友人や家族に伝えやすい。

COMPANY

社名:Tokinomo/トキノモ

設立:2018 ニューヨーク US

創業者:Ionut Vlad, Laurentiu Cluve

資金調達:非公開(2021/9)73万ユーロ(シード 2020/2)

分野:店舗マーケティング

(Photo: Tokinomo, https://www.tokinomo.com/about-us )


スタートアップレビューでは厳選されたスタートアップ企業にのみ直接取材、掲載許可をいただいて記事を発行しています。
現在日本で成功しているサービスも、海外スタートアップから着想を得てローカライズされたものが多くあります。次のビジネストレンドとアイデアのアップグレードにお役立てください。