TPS Engage（TPSエンゲージ）社は、「広告代理店を通さずタイムズスクエアをはじめとする世界中のデジタル看板に広告が出せるプラットフォームプラットフォーム」を提供している。
通常の広告は大手広告代理店に話を通して出稿される。そして予算が十分な額になったと判断された場合のみ、大型看板のオーナーと交渉権利が与えられる。そして交渉が通った後は「利用可能か否かのチェック」「契約書送付 」「支払い請求」「ビジュアルイメージ送付」といった複雑な工程を経ながら広告出稿へとこぎつける。
TPS社のプラットフォームだと一目で広告の場所、見栄え、金額がリアルタイムでわかるようになっている。同社が開発したソフトウェアにより、世界的に有名なビルボードに1時間あたり１ドルから470ドルの価格で広告を掲載することができる。どのようなタイプのビジネス広告にも手頃な価格で利用可能だ。
オンラインショッピングのように簡単な広告予約を目指すTPS社は、「将来的には人々が目にするすべてのデジタルビルボードはTPSエンゲージのプラットフォームを通じて簡単にアクセスできるようになる」と述べている。
2018年にスタートしたTPSエンゲージは、120万ドル以上の資金を調達し、スヌープ・ドッグ、サムスン、ハイネケン、Uber、PicsArtなど、何千もの広告主との実績を積み重ねてきた。同社は、ニューヨーク、ソウル、ドバイ、ブカレストにオフィスを構え、世界36カ国で30万箇所以上、NYのタイムズスクエアから国際空港まであらゆる場所に広告予約を可能にしている。
2021年に最も有名なビルボードであるタイムズスクエアの「GME GO BRRR」ビルボードを手がけており、Redditの投稿では史上2番目に人気の高いものとなった。
スタートアップ バリュー大規模な広告を簡単に
プラットフォームは完全に自動化されているため、ほとんどのクライアントは人間との対話を必要としない。コンテンツをオンラインで宣伝するのと同じくらい簡単にデジタルビルボードを予約できる。
タイムズスクエアのNasdaqやロンドンの道路沿いのビルボードなども迅速で手頃な価格帯で手配している。
トップ広告スポットを誰でも利用可能に
TPSエンゲージは国際的なキャンペーンにも手を広げている。米国市場をターゲットにしているブランドと協力して、経験がなくても簡単に主要な場所に広告が出せるようにした。タイムズスクエアで最も多くの個人広告を担当している。
(TPS Engage, https://tpsengage.com/billboard-nasdaq/)
広告の伝統を改変
近年の技術の進歩や消費者の嗜好の変化により、広告はより透明で、オープンで、柔軟なものになりつつある。TPSエンゲージはこの変化の最前線にいると自負しており、広告業界の民主化を目指す。
トップビルボードの広告が１時間あたりわずか100ドルで可能なときもある。下記の領収書では、タイムズスクエアでの広告表示が18.71ドルで行われたことを明記してある。
この格安広告に付随するエピソードも有名なので、触りだけ説明する。
TPSエンゲージのプラットフォームを通してタイムズスクエアのビルボードに表示されたこの広告は、「ゲームストップ株が爆上がりする」と表示されている。当時ゲームストップ社に対して空売りをしかけていたヘッジファンドの行為に個人投資家が反抗するために広告は流された。この広告はすぐさまSNSで拡散され、個人投資家による買いにより、ヘッジファンドは撃退された。中には破産したヘッジファンドもいる。個人投資家がヘッジファンドを倒したこの事件は、大変な注目を浴びた。格安なトップビルボード広告が、SNSで二次広告として拡散されたケースである。
社名：TPS Engage
設立：2018/1 ニューヨーク US
創業者：Abdel Wahed Bendaoua, Dan Florea, Matei Psatta, Mihai Pocorschi, Radu Bogdan Savonea
資金調達：100万ドル（シード 2020/2）
分野：デジタルビルボード広告
（Photo: TPS Engage, https://tpsengage.com）
