
リアン・マックリディ氏は、1つのアプリで複数のショッピング業界に対応したデリバリーサービスを提供するクエンチ社(南アフリカ)の創業者。
信頼・顧客中心・情熱・チームワーク・多様性・包括性を企業理念とし、南アフリカでパートナーシップを増やし続けている。
マックリディ氏は南アフリカのナタール出身。ヒルトン・カレッジで学んだ後、ステレンボッシュ大学を卒業した。
Leader's Viewpointスタートアップ創業のきっかけ
私は物心ついたときから世界で何か偉大なことをしたい、何らかの形で周囲の人々やコミュニティに大きな価値を与えたいという思いを常に持っていました。
自分が意思決定者となることで、責任を持ちながら計画を実行できます。反対に、意思決定者のために働くことは私から責任感を消失させます。私は、自分が信じ、そして自分を信じてくれるチームに力を与える側でいたいのです。
私のビジネスモデルは、ますます加速する現代の生活リズムの変化に基づいています。毎日の買い物しかり、様々な用事を済ませたりするための時間的余裕がある人はほとんどいません。消費者は、より合理的で効率的なオンラインショッピングの方法を常に求めています。
業界の現状とサービスでの対応
今日の世界では、どの企業も自社のアプリを他のものよりも優先配置されることが重要視しています。クエンチは一つのアプリで全てのショッピングが可能なので、優位性があります。私たちのオンデマンド配信ソリューションを依頼する企業が大幅に増加しています。
大企業では、技術開発の短納期化に苦労しており、特にオンデマンドのバリューチェーンの実行・管理に苦労していることがわかります。クエンチは、多国籍ブランドからなるショッピング体験を提供することで、オンデマンドショッピングの風景をシームレスなものに変革しました。1つのアプリと1つの買い物かごでほとんどの商品にリーチできます。
ウールワース、Dis-Chem薬局、Makro、Ultra Liquors、Tops @ SPAR、大規模レストランといったパートナーシップ企業の商品デリバリーを提供しています。当社の技術をカスタマイズしたソリューションをホワイトラベル化することで、大企業のオンライン化やオンデマンド化を実現しています。
また、FMCG分野だけでなく、2021年9月には「QUENCHマーケット」という新しいコンセプトのB to Cビジネスを立ち上げます。
サービスの未来
私たちは今後も南アフリカのEコマース市場に重点を置いていると思います 。南アフリカのeコマースの売上高は2020年には40億米ドルとなり、24%もの増加でした。これは世界の成長率26%に大きく貢献したことを指します。
クエンチの顧客層は立ち上げ当初から著しく変化しました。私たちは初め、学生をターゲットにしたアルコールのデリバリーソリューションとしてスタートしました。
今では、南アフリカの最も裕福な地域でも、食品、アルコール、医薬品、レストランなどのサービスを提供しています。
また、ホワイトラベリングソリューションのようなBtoBのサービスも行っていませんでしたが、その後クエンチにとって新しいサービスとなりました。
複数のサプライパートナーと国境を超えたショッピング体験の提供者として成長を続けます。理想は南アフリカでオンデマンドショッピングのスペースを所有し、その他の地域にも進出することです。また、クエンチがより多くのホワイトラベル契約を結ぶことで、技術サービスを増やし、より社会にインパクトを与えていきます。
(取材=宮尾卓志 写真=Quench)