
Scylla(スカイラ)社は、AIとコンピュータビジョンを活用し、物体や行動、行動の異常を検知、クライアントのセキュリティ向上ソリューションを提供している。
セキュリティ業界の重要性は年々高まっている。特に、大型施設においてはそれが顕著である。

Scylla社によると、多様な目的のスペースを複数持つ大型施設は、継続的に監視できるカメラを数多く保有しているが、セキュリティオペレーターは重要なイベントの95%を見逃す可能性があるという。
人員配置を増やすことはコストがかかるが、セキュリティ上対処可能なイベントを見逃すことはさらにコストがかかる上、人々を危険にさらす。
AIを駆使した複合的アプローチでクライアントのセキュリティを守るScylla社は、効果的な誤報フィルタリングシステムは、セキュリティオペレータ、データセンター、ビデオ監視会社にとって絶対に必要なものだと強調する。
セキュリティの分野で注目を集めているScylla社、そのバリューを創業者兼CEOのAlbert Stepanyan氏に取材した。
スタートアップ バリュースタートアップの立ち上げ理由は?
Albert Stepanyan氏(以下、アルバート):当初、私たちのチームはメキシコシティの治安を向上させるための監視カメラに関するコンサルティングサービスを提供していました。メキシコの半官半民のプロジェクトとしてです。
このプロジェクトは成功しましたが、コンサルティングモデルはスケーラブルではなく、マーケットは強力なAIビデオ分析ツールを必要としていました。
そうして私は2018年にスタートアップを立ち上げました。
そこから取引先が飛躍的に増加していますね。
アルバート:はい。メジャーリーグ、アイオワ・ステート・フェア(米国最大の農業・産業博覧イベント)、ルグラン社、オマーン国際空港、ダイムラー社など、世界中で素晴らしいクライアントポートフォリオを獲得しています。
2021年には490万ドルのシード資金調達に成功し、Scyllaは3倍という急成長を見せましたが、そこに留まるつもりはありません。
私達はクラス最高の高精度なAI搭載ソリューションをリーズナブルな価格で業界に提供し続けることを目指しています。そのために、システムの性能、カスタマーサポート、そしてソリューションの品質を継続的に向上させています。

ソリューションについて具体的に教えてください。
アルバート:私達はAIとコンピュータビジョンを活用し、物体や行動、行動の異常を検知します。
ScyllaのAIを活用したソリューションは、物体検知、異常検知、行動認識から、境界侵入検知、顔認識、ドローンセキュリティまで、セキュリティインフラのあらゆる部分を改善しています。
また、異常検知と行動認識システムも最近人気を集めており、さまざまなタイプの顧客が暴力的な行動や異常な行動、危険なイベントを検知できるスマートなソリューションを探しています。
Scyllaは、喧嘩、万引きにつながる不審な買い物行動だけでなく、怪我や病気による転倒を検知するよう学習させたAI技術を保有しています。
ですから困っている人をすぐに助けたいと考えているヘルスケア、ホスピタリティ、イベントのセグメントにとって大きなニーズを満たします。
また、Scyllaは目に見える煙や火災を検知することもできます。

どのような技術なのでしょうか?
アルバート:私たちは、AIとコンピュータビジョンを活用して、物体、行動の異常を検出します。ビデオストリームのコンテンツを処理し、意味のあるインサイトを展開します。
Scyllaは、Smart Decision-Making algorithm 「Charon」によって、疑わしいコンテンツをリアルタイムで検証します。オブジェクト、アクティビティ、またはIDに関する情報が取得され、アラートプロトコルに転送されます。
そしてウェブやモバイルチャンネルを通じて、セキュリティ対応部隊などにリアルタイムでアラートを配信し、関連するスクリーンショットや、事件の場所と時間に関する完全な情報を提供します。
詳しくは、ホワイトペーパーでご覧いただけます。
競合と、それらに対する優位性を教えてください。
アルバート:Scylla AIは、物理的なセキュリティソリューションの市場で際立っていると自負しています。クライアントの財産、顧客、またはクライアント自身を守るために、大企業と中小企業の両方から世界中で選ばれています。
Scyllaは、既存のカメラや一般的なVMS(ビデオ管理ソフトウエア)と連携し、インフラやトレーニングへの投資を保護するため、ROI効果が高いです。
また、多数の検出、レポート、ユーザー機能など、比類のない機能性を提供します。これには、動く背景を扱うような特別な機能も含まれています。
さらに、この市場は倫理的に注目されておらず、プライバシー侵害、民族のプロファイリング、技術の悪用が横行しています。Scyllaは、その強い倫理的な立場と、すべての人間の生命を守ることに重点を置いている点で他社と一線を画しています。
昨年末、私たちはさらに製品を拡充し、スマートエッジモニタリングソリューションであるScylla Asteriaを加えました。これは特に小規模な設備向けに設計されたもので、AIを搭載した高度な機能により、強力な周辺侵入検知と効果的な誤報フィルタリングを可能にします。
最大の特徴は、棚に置けるほどのコンパクトさとコストパフォーマンスの高さで、特に中小企業や住宅メーカーに最適です。
Asteria Sの構成は、最大8台のカメラまたはNVRチャンネルをサポートできるため、セキュリティ・ネットワークを強化することができます。これにより、より多くのお客様がセキュリティを強化し、人々や財産をより良く保護することができます。
市場にある類似のソリューションは、5倍以上のコストがかかるか、サポートするチャンネル数がはるかに少ないため、セキュリティをアップグレードしようとしているお客様や企業にとって、製品の魅力やROI効果が低くなっています。

今後の計画は?
アルバート:今後数年間、Scyllaは医療機関、石油・ガス産業、空港、スポーツ会場、ビデオ監視センター、セキュリティインテグレーター向けにクラス最高のAI搭載ソリューションを提示し続けます。
スマートな物理セキュリティ製品とエッジ監視ソリューションで、インテリジェントなセキュリティインフラを推進し、物理セキュリティ製品の真のグローバルリーディングブランドになることを目指します。
最近、私たちはスマートなトラフィックフロー分析ソリューションを展開しました。多くの組織が、敷地内のトラフィックフローについて実用的な洞察を得たいと考えていることに気づいたからです。
このツールは、より効果的な待ち行列管理、サービス、滞留時間分析、稼働率モニタリングなどを可能にするため、必然的に顧客体験の向上と収益性の向上に役立ちます。
また、より多くのNVRチャンネルとカメラをサポートし、より幅広い物理的なセキュリティ脅威を検出できるよう、エッジデバイスの開発を続けていきます。そして、より多くの人々や企業にとって、セキュリティがより身近なものになるようにします。
私たちはそこに甘んじることなく、スマートで使いやすく、正確なソリューションを開発し続け、この世界を誰にとってもより安全な場所にすることを目指しています。

社名:Scylla
設立:2018 US
創業者:Albert Stepanyan
資金調達:490万ドル(シード 2020/3)
分野:セキュリティ
(Photo: Scylla, https://www.scylla.ai/)