【CH4 Global】メタン排出量を削減する家畜用サプリ

CH4 Global

CH4 Global(Ch4グローバル)社は、「気候変動にプラスの影響を与えるために、海藻の養殖技術で家畜用サプリ」を開発している。

牛のゲップにはメタンガスが含まれている。しかしAsparagopsis (カギケノリ)を食べさせるとメタンガス排出を大幅に削減される。そして牛肉や牛乳の味にも牛そのものの健康にも変化を与えないようだ。世界的なビジネスビルダー、科学者、起業家からなるチームで構成されているCH4グローバル社は、実証済みのカゲキノリを海藻栽培の科学技術を活用し、この問題の解決を目指す。

同社は牛から発生するメタンを最大90%削減する、革新的な新しい家畜用サプリメントを開発し、世界的な養殖エコシステムの構築を使命としている。資本支援している著名なファミリーオフィスや世界各国の政府機関は同社のサプリメント開発に注目しているが、カゲキノリの大規模養殖は難しい上に、完成品をいかに効率的に世界中の牛に配給していくか、問題は山積みである。

CH4グローバルの創業者兼CEOのSteve Meller(スティーブ・メラー)は、同社の理念として掲げている「緊急時のように動くこと」を強調し、メタンガス削減を可能にするカゲキノリの大規模養殖を本気で取り組む重要性を常に訴えている。

2021年のアースデイのテーマは「Restore Our Earth(私たちの地球を修復する)」であった。「Restore」とは、「失われたもの、奪われたものを取り戻す」、「修理して元の状態に戻す」という意味である。 この2つの目的は、CH4 Globalのミッションにも反映されている。 私たちは、未来の世代に住みやすい世界を取り戻すことができると思っている。そのためには、気候変動の被害を修復するために、世界中の人々が集中的に注力する必要があると考える。これだけは忘れないでほしい。Plan(et)B(Bプラン=地球に替わるモノ)はないと言うことを。

CH4 Global https://www.ch4global.com/
カゲキノリ
スタートアップ バリュー

海藻によるサステナブルなソリューション

カゲキノリは、自然豊かなオーストラリアやニュージーランドに自生する野趣溢れた海藻で、反芻動物が摂取すると、メタン排出量を大幅に削減し、気候変動の危機回遊の一翼を担うことができると言われている。この冷水性の品種は、オーストラリアとニュージーランドの気候に完全に適しており、持続的かつ長期的に環境に負担をかけない栽培が可能である。

将来を見据えた飼料製品の供給

カギケノリのバイオ製品は、収穫後すぐに加工して、牛やその他の畜産動物(ヤギ、羊、鹿など)のサプリメントとして使用できる。 既存の飼料に添加することも容易である。また、メタン排出量の削減だけでなく、飼料要求率の向上にもつながるという研究データもある。

カゲキノリに含まれる化合物は、消化の際に廃棄物としてメタンガスを発生させる腸内細菌の酵素の働きを阻害する。 この効果は、オーストラリア連邦科学産業研究機構(CSIRO)、ジェームズ・クック大学(海洋学、環境学で世界的権威)、ミート&リブストック・オーストラリア社によって初めて実証された。

CSIRO、カリフォルニア大学デービス校、ペンシルベニア大学がオーストラリアとアメリカで実施した複数の野外試験において、カゲキノリ含有サプリメントは、肉牛、乳牛、羊のメタン排出量を投与量によって最大99%削減し、家畜やその製品、環境に悪影響を与えないことが示された。

カギケノリは利点で溢れている

  • 環境にやさしい
  • 水質改善
  • 二酸化炭素吸収源として機能し、海洋酸性化を緩和(海藻は陸上の植物の5倍の二酸化炭素を取り込む)
  • 肥料由来の水に含まれる窒素やリンなどの環境汚染物質を削減

「家畜からのメタン排出量を削減する他の試みは、10年以上先になるか、効果がないかのどちらかである」という考えから、 CH4グローバル社は、米国、オーストラリア、ニュージーランドを中心に、ライセンス保有者へのカゲキノリサプリメントの主要な供給者になることを目標とし、水産養殖による高品質のカゲキノリを商業的に利用できるように積極的に取り組んでいる。

COMPANY

社名:CH4 Global

設立:2018/12 ネバダ州 US

創業者:Steve Meller, Nick Gerritsen

資金調達:300万ドル(シード 2020/9)

分野:環境用サプリメント

(Photo: CH4 Global, https://www.ch4global.com )


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